2024/04/25

自分のビジネスを楽しめているか?

From:宮川徳生

先日、ある社長から
こんなことを言われた。

社長
「おかげさまで年商1億超えました。
 でも、ずっと1億稼ぐことが目的だったので
 それを達成したらやる気が出ないというか…
 燃え尽きたというか…
 どうも気持ちが乗らないんですよね」

その社長とは
かれこれ4年くらいの付き合いで
彼は小売業をやっている。

4年前は年商が3千万ほどだったが
順調に成長して目標だった1億を達成した。

で、たまたまZoomで話す機会があったので
現状を聞いてみたら「やる気がない」と
アホみたいなことを言ってきた。

ちなみに彼とは
とても仲がいいので
アホと言っても大丈夫な関係だ。

ただ、彼が
1億を達成してから
やる気がなくなってしまった気持ちや理由
そして原因が僕にはなんとなくわかった。

なぜなら
僕も同じ状態を経験したことがあるからだ。

僕は、この会社の社長をやる前は
フリーのライターをやっていた。

フリーのライターの時
最高月収は200万ほどで
最高年収は1800万ほどだった。

僕はもともと
超安月給の飲食店店長をしていたので
年収は400万程度。

だから、年収1000万稼ぐことを
目標にしていた。

そして、何より
小さい頃家が貧乏だったので
お金を稼ぐということに対して
ものすごく強いモチベーションがあった。

だから、年収1000万稼ぐまでは
起きてる時間=仕事している時間を
マジで2〜3年毎日続けた。

でも、年収1000万を超えて
それが普通になった時気持ちが腐った。

なぜなら
お金を稼ぐことがモチベーションだったので
それが達成されたら目標がなくなってしまったからだ。

1000万稼ぐまでは
すごくたくさん努力しないと
稼げなかったわけだが

1000万稼ぐことが普通になると
それを稼ぐための要領がわかってくるので
ぶっちゃけそこまで頑張らなくても
稼げるようになってしまう。

そんな経験をしてきたからこそ
冒頭の社長もきっと
同じ状態なんだろうなと悟ることができた。

では一体
お金がモチベーションの人間が
それを達成すると腐ってしまうのか?

僕は仕事をする目的が3つあると考えている。

1. お金のため(自分を満たす)
2. 面白いから(自分を満たす)
3. 誰か、何かのため(他者を満たす)

働いている人にとって
生きている時間の半分くらいは
仕事に費やしている。

そんなに大量の時間を
お金のためとか自分のためとかに費やすのは
不幸である。

なぜなら、お金があったり
自己満できたりしても
自分の存在意義を見いだせなくなるからだ。

よく宝くじの高額当選者が
悲惨な末路を辿るみたいなのがあるけど
まさにそれだ。

金に不自由しなくなった途端
彼らは働かなくなる。

そして、自分を満たすために
目一杯の贅沢をし始める。

確かにそれで
自分の欲望は満たされるだろう。

でも、そこに
この世においての
自分の存在意義はない。

だから、高額当選者たちは
次第に周りの人に金を使うようになり
金を配ることで「誰かの役に立っている」という事実を作り
自分の存在意義を確かめるようになる。

ちなみに、ある調査では
高額当選者の70%は
数年以内に破産するんだとか。

つまりだ。

仕事というのは
ただ単に金を稼ぐとか
自分を満たすためだけにするものではなく
誰かを満たすことで自分の存在意義を感じるためにする
という側面もあるのだ。

7つの習慣のコヴィー博士は
このことをレガシーを残すと表現した。

仕事を通じていくら稼いだではなく
仕事を通じて何を成し得たか?

それが仕事にとって
最も重要なことだと。

金のためではなく
何かのため、誰かのためという
側面を見出せるかどうか?

そして、仕事というのは
その存在意義を見出す方法として
ベストなものとなる。

なぜなら、仕事というのは
基本的に誰か・何かの役に立つために
することだからだ。

そしてここからが
重要な話になるのだが…

大事なことは
今の仕事に金以外の意義を
見出すことができるかどうかなのだ。

冒頭の社長は
テイクアウトの飲食店を複数経営している。

高級食パンや唐揚げ専門店のような
ブームになる持ち帰りの飲食を
業態転換しながらやっている。

彼には、パンに対する熱意も
唐揚げに対する熱意もない。

ただ単に
〇〇という業態は今ブームだから
簡単に儲かるだろうという理由だけで
そのビジネスを業態転換しながらやっている。

そんな彼が
自分のビジネスに金以外の意義を見出せるかどうかは
わからない。

ただ、大事なことは
意義がない仕事なんて
この世にないってことだ。

意義はどんな仕事にも必ずあって
その意義を見出せるかどうかってことだ。

例えば
今僕らが事業としてやってる
動画事業。

この事業は
社員一人当たり2500万ほど売り上げる
高収益事業だ。

だから、この仕事を
動画はトレンドだから
金になりやすいという理由だけでやることもできる。

だけど、この事業の意義は
これから人口減少する日本の生産力を保ち
そして向上するために

動画を活用して企業の生産性をアップするという
とてつもなく大きな意義のもと推進している。

金がないうちは
金のためにだけに仕事をすることは
しょうがないことかもしれない。

というか
むしろそれでいいと思う。

なぜなら、自分を満たせていないのに
誰かを満たすことなんてできないからだ。

だから、まずは自分を満たすために
金にフォーカスするのは自然なことだ。

何も悪いことではない。

だが、問題は
金が満たされた後だ。

金が満たされた後
仕事の本当の意義を見出せるかどうか?

事業を大きく成長させられるかどうかは
ここが大きなポイントになる。