2023/05/31

あるキャンディー会社の話

From:長嶋雄二

タスクに追われたり、
時間に追われていると、

“ちょっと仕事で妥協してしまう”
“自分に甘えてしまいそうになる”

そんな瞬間って、あったりしませんか?

例えば、
本当はコピーを修正したいけど
時間がないからLPを妥協してリリースしたり…

次の予約がパンパンだから
目の前にいる常連さんを
ちょっと巻きで対応してしまったり…

もしちょっとでも心当たりがあれば、
先日、みつけた面白い話があるので、
ちょっとご紹介させてください。

〜〜〜〜〜〜

ある有名なキャンディーを販売している会社の話。

昔から人気のある
この会社のキャンディには
34種類のフレーバーが使われていました。

しかし、コスト削減を考えたCEOは、

「34種類ものフレーバーを
 消費者は分かっているのかな?」

という感じで、試しに1つのフレーバーを削減して
33種類にしてみたそうです。

その結果、、、売上には何の影響もありませんでした。

削減した1種類分のコストは
利益として上乗せすることができたのです。

これに気を良くしたCEOは、
さらに、もう1種類削減して
32種類にしてみました・・・

その結果、、、売上には何の影響もありませんでした。

実際、そのキャンディーの味を比べてみても
34種類と32種類では味の違いが全くなかったそうです。

そうなれば、お客さんも
その違いがわかるはずがないでしょう。

そしてまた、削減したフレーバー1種分の
コストは利益に上乗せされました。

そんな感じで、CEOはコスト削減という名目で
1種類ずつフレーバーを減らしていったそうです。

そして、その結果、、、売上には何の影響もありませんでした。

削減したフレーバーの分だけ、
利益は上がり続けたのでした。

そんな感じで34種類あったフレーバーは
9種類まで削減されていきました。

ところがある日、、、

ある日、売上がガクンと落ちた時があったのです。

「なぜだ!?」

急激な売上の減少にCEOは焦りました。

なぜなら、毎回、味をチェックして
変化はないと確認した上で、
フレーバーを削減していたからです。

そしてその後も、
このキャンディーの売れ行きが悪く、
お客がどんどん離れていきました。

『34種類だった頃と比べて、
 味もほとんど変わっていない…
 消費者からのクレームもない…』

にもかかわらず、
キャンディーの売上はどんどん下がっていたのです。

CEOも原因がわからず。
不思議に思っていたころ、
スタッフからこんな声が上がりました。

「最初の34種類と
 今のものを比べてみたらどうでしょうか?」

そういわれて試しに、
2種類の味を比べてみると・・・

「なっ・・・!!? なんじゃこりゃ…」

9種類のフレーバーのキャンディーは、
最初の34種類のキャンディーとは
全く違う味になっていたのでした。

1種類ずつ減らしていく過程では
「味の差」には全く気づけなかったけれど、
25種類も減ってしまったキャンディーの味の差は
明確な違いがあったのです。

〜〜〜〜〜〜

この話を知って、僕自身もハッとしたんです。

品質の低下は、
ちょっとずつなら誰も分かりません。

でも、ある瞬間を境にして、
その手抜きが相手に伝わってしまう・・・
ということ。

つまり、「少しくらいだからいいだろう」と思って
手を抜いしてしまったり、品質低下を受け入れてしまうと
知らない間にどんどん下降していき…

ある日、突然、お客さんにそれが
モロに伝わってしまうということです。

じゃあ、これがあなたの仕事なら?

キャンディ会社にとっては、
キャンディの味が強みだったように、

・飲食なら、お店の味
・専門職なら、専門スキル
・ライターなら、ライティングスキル
・コンサルなら、コンサルスキル
・マーケ会社なら、マーケティングスキル

などなど…

自分が強みとしているところ、
自分達の”アイデンティティ”と言える部分で
手を抜いてしまうことは、
じわじわと自分の首を絞めます。

もちろん個人の能力やスケジュール感で
手を抜きがちになってしまうこともあるでしょう。

でも、それを簡単に容認してしまうなら
それはただの甘えでしかありません。

常に変わらない、一定の品質を兼ね備えてこそ、
自分達の強みとして誇れるものになります。

”アイデンティティ”とも言える強みを磨き続けることが、
その道のプロとしての責務ですよね。

あなたが妥協しちゃいけないポイント、どこにありそうですか?