私がセールスライティングを学び始めて約1年が経ちました。セールスライティングを学び始めたきっかけは、いつか起業した時に役に立ちそうなスキルだったからです。ちなみに何で起業するかというのは全く考えていませんでした。最初は教材を購入して勉強し、セールスライターキャリア支援会(当時)、パートナー養成会に申し込み、今ではセールスライターとして仕事をさせていただけるようになりました。
正直セールスライターを知った当初は「好きな時間に好きな場所で、好きな人とだけ働いて高収入を得られる、なんかすごい仕事」くらいの認識で飛び込んだのですが、実際にセールスライターの世界を覗いてみて、
- すぐに楽して稼げる類の仕事ではない。クライアントを獲るのは大変なこと。
- ライティングだけでなくマーケテティングに精通していないと報酬は高くならない。
- 地味な作業が多い。地味なリサーチがコピーの質を決める。
などなど、理想論だけではないリアルな実態が見えてきました。その辺りのことは他の記事でも書かれていますので、ぜひご覧下さい。
今回は、私が実際にセールスライターとして仕事をしてみて感じる、当初は想像もしていなかったセールスライターの現場で求められる、ライティング以外のスキルを紹介したいと思います。ちなみに、マーケティングスキルやリサーチスキルといったメジャーなものではなく、地味であまり注目されないですが、現場で役に立つスキルというテーマにしたいと思います。
これからクライアントを獲得していく方は、心の準備をしておくことでクライアントとスムーズにやり取りが進み、仕事をやりやすくなるでしょう。今クライアントを抱えておられる方は、より社長の悩みに寄り添って、良い提案をして信頼を得ることができると思います。
スキル1:クライアントとのやり取りのスキル
残念ながらこれはほぼ起こり得ないと思います。セールスライターに仕事を頼もうとする社長は、自社の売り上げという大切な部分を預けようとしています。顔もわからないような相手に仕事を頼もうとはしないでしょう。もちろん例外もあり、下請けのような形でコピーを書く仕事を受けるという場合は、クライアントとのやり取りは不要かもしれません。また、会社に所属しながらライターをやる場合も、ライティングだけに集中できます。
私の場合は、ネット広告の案件を回すことが多いです。広告の運用自体は自分でアイデアを考えて、実際に広告を作成し、適宜配信していくだけで良いのですが、特に導入時はクライアントさんにご協力いただかなければ始めることができません。例えば
- 今までにネット広告を運用されたことはありますか?
- すでに顧客のアドレスのリストを持っていますか?
- 広告運用用のGmailアカウントをお持ちですか?
といったことを確認します。その際、ネット広告運用を依頼するクライアントさんの心情としては、「よくわからない、複雑、不安、でもやりたい。やった方が良さそう。」といった状態です。そのため最初の説明時には、
「これからどんな目的でどのように広告を運用しようと思っているのか。そのためにどんな情報を共有してもらいたいのか。」を、ネットのことをほぼ知らない状態の方にも、わかりやすく説明することを大切にしています。クライアントさんは、自分でネット広告を運用することの精神的ストレスから解放されたくて、仕事を依頼しています。そのため、クライアントさんが感じているであろう不安を理解し、負荷を感じずに業務を進めるために何ができるかを考えながら関わるようにしています。
ネット広告運用では、導入時だけでなく途中経過の報告も行います。その際も、できるだけ専門用語を使わずに、クライアントさんが知りたい情報をシンプルにまとめて提示することを心がけています。専門用語とは、あくまで「クラアイアントさんにとっての専門用語」です。
かつて私もウェブのことはほとんど無知で、最初は用語の理解に大変苦労しました。しかし、慣れていくうちに当たり前のように使うようになった言葉をそのまま「これは専門用語じゃないからわかってもらえるだろう。」と思い、クライアントさんにも使ってしまい「ちょっと意味がわからない…」といったフィードバックも経験しました。セールスライターとして、常に相手の頭にある言葉で語るように意識したいです。
スキル2:html言語(超初級)のスキル
私たちセールスライターの仕事はライティングであり、コンテンツを作ることです。自分でサイトのデザインをするといった高度なことをしない限り、htmlで書かれた英語の暗号ようなコード(ページのソースに出てくる<head></head>や<a half=>といったやつ)に触れることはない。そう信じていました…
しかし、現実はそう甘くはありませんでした。例えばネット広告の場合、ユーザーの反応を調べるために、html言語で書かれた計測コードをWEBサイトに埋め込まなければいけません。この計測コードですが媒体(Facebookか、Googleか等)によっても、埋め込む先のWEBサイトの種類(ワードプレスか、その他か等)によっても、調べたい反応(電話問い合わせなのか、申し込みなのか等)によっても異なります。
この計測コードですが、WEB界隈でお仕事をされている方にとっては、もはやhtml言語とすら呼べない超初級なレベルだとは思うのですが、私は人生でhtmlに触れたことがなかったので、最初は正直広告の運用時よりもエネルギーと時間を消費しました。本を読もうにも、例えば「Facebook広告経由で電話をかけた人の数を計測する方法」などのピンポイントな悩みだと、どの本を読んでいいのかわかりませんし、情報はどんどん更新されていくので、本自体がなかったりします。
私の場合は、逐一Googleにわからないことを打ち込んで、事例を解説してくれている親切な人の記事を読んだり、チームのメンバーに助け舟を出してもらいながら、なんとかギリギリ耐えています。しかも、場合によっては自分だけが理解するだけでなく、クライアントさんにも理解してもらう必要があるので、学んだらすぐに自分の中で言語化して、わかりやすくまとめることが必要です。
また、セールスライターの基本はテスト→改善です。そのため、頻繁にWEBサイトを編集する必要も出てきます。htmlが全くわからないとクライアントさんに「業者さんに依頼お願いします。」と何度も頼むことになり、先方の負担を増やしてしまいます。もちろんプログラマーのように専門的にならなくても大丈夫ですが、大まかな意味や構造を抑えておけば、スムーズに仕事を進めることができると思います。
スキル3:画像・動画加工のスキル
セールスライターは、文字だけでなく画像や動画を活用することで、ユーザーに商品の魅力を存分に伝えることができます。例えば食品だと、文字で商品を長々と説明するよりも、写真や動画を見た方が「食べたい!」となるのではないでしょうか?また、文字だけだとわかりづらい部分も、図解やイラストを入れることで、読み手の頭の中にイメージが浮かび、スムーズに理解してもらえることもあります。
もちろん、画像・動画編集のプロが作成したものは完成度が高くなるでしょう。ですが、セールスライターが入る案件はテスト改善を前提としていますので、当たるかどうかわからない最初の段階では、そこまで多くの時間やお金のコストをかけるわけにはいきません。かといって、PCで拾ってきたフリー画像をそのまま使うと広告感が出てしまいますので、自分で画像・動画を加工できる基礎的なスキルを身につけておくことで、提案の幅がグンと広がります。
私の場合は、簡単な加工ソフトを使って編集しています。画像の加工だと「Photoshop」。図解やモデルを作るときは「Microsoft PowerPoint」。動画の編集はmacなので「imovie」を使用しています。決して立派なものができるわけではありませんが、これらの手に入れやすいソフトでもテストを実施する分には使えるものを作ることができると思います。
こういった画像・動画加工のツールですが、「最初に使い方をマスターしてから使おうとして、難しさに心折れてしまい使用を諦めてしまう。」といった状況になったことはありませんか?私も最初YouTubeでPhotoshopの使い方の動画をたくさん見てから実際にソフトを触ってみたのですが、いざ使うとなると勝手がわからず、学んだことはほぼ活かせませんでした…
そこから必要な機能を一つずつ使っていきながら、回を重ねるごとに徐々に使い方がわかるようになってきました。実際今でも全機能の30%も使ってないと思いますが、実戦の中で必要な機能だけを使えるようになるという方法が効率よく学ぶコツなのではないかと思います。
以上
- クライアントとのやり取りのスキル
- html言語(超初級)のスキル
- 画像・動画加工のスキル
が、私がWEBセールスライターとして働く中で、地味ですが必要だと思っているスキルです。こうして書くと「セールスライターって大変なのかな?」と不安になるかもしれませんが、実際スキルはセールスライターとして仕事をしながら、少し注意力を向けることで自然に身についていきます。そして、わずかなスキルの上達で、できることが増える楽しさがあります。個人的にはゲームでレベルが上がる楽しさに似ていると感じています。とは言っても、苦手な分野のことを一人で勉強していると心が折れそうになることもあると思います。