こんにちは。
株式会社バリューイノベーションジャパンの
リサーチャーXです。
今日の推し本はこちらです!
↓
■ 家康様、明日は関ケ原でPRイベントです ストーリーで日本を変えた広報の天才たち
広報・PRというと、
「大きな会社のお話でしょ?
中小企業の自分たちには関係ない」
と思ってしまうところがあるかもしれません。
ですが、
\ ストーリーテリング /
というキーワードを聞いたらどうでしょう?
ライターやコンサルの方でしたら、
その重要さ、威力について
いまさら語る必要はないかと思います。
こちらの本は表紙に
「ストーリーで日本を変えた広報の天才たち」
とあるように
歴史上のできごとを、
広報PRという文脈に照らして
ストーリーテリングを中心に展開されます。
なお、こちらの本でいう
「ストーリーテリング」「ストーリー」は
———————–
ここで言うストーリーとは単なる「お話」ではなく、世の中を変える、他人の行動を変えるという意図を持って語られる物語で、かつ拡散力があり、自己増殖能力を持った物語です。
引用 「家康様、明日は関ケ原でPRイベントです」p.001
————————
です。
もうですね。
ここでハッとさせられるわけです。
広報PRというと
単に自社や商品を知ってもらう、
認知獲得のために実施する施策だと
ザックリ捉えていましたが、
そこにストーリーテリングの視点を持ち込むことで
・世の中を変える
・他人の行動を変える
に加えて、
・拡散力
・自己増殖能力
にまで発展するものなのだ、と。
たしかに、このご時世、
SNSなどでシェアされたときの拡散の威力や
会社が発信した1の情報をもとに
解説動画や意見を述べる動画、ツイート、
ブログ、noteなど
10にも100にも
凄まじい勢いで勝手に広がっていくさまは
想像に難くないですよね。
そんなふうに
情報が広がっていく(広げていく)さまを
歴史上にできごとに当てはめてわかりやすく
(ときに面白おかしく)解説してくれているのが
こちらの本です。
これがですね、
本当におもしろい。
たとえば、
豊臣秀吉の刀狩り。
必ずと言ってよいほど
教科書に載っていますよね。
こちらの本の中で豊臣秀吉は、
刀狩りについて “LINE風チャット” を使い、
“おじさん構文” で広報担当者とやり取りします。
(もちろんフィクションです)
豊臣秀吉は、
課題である農業生産力の向上と
一揆防止のために刀狩りを実施したいけれど、
一方的な広報では
当然、農民たちの納得感は得られない。
そこで、
「戦のない世界をつくる」という
メッセージを込めたストーリーにすることで、
そのストーリーに共感した人が参加し、
(他人の行動を変える、世の中を変える)
その参加した人がまた他の人に伝える
(拡散力、自己増殖能力)
という一連の流れが、
(架空の)企画会議
↓
(架空の)プレスリリース、アナウンス、企画書
といったように展開されます。
他にも、
プレスリリースの例ですと、
徳川家が報道各社に関ケ原の戦いを
「天下分け目の決戦、取材のご案内」
としてのプレスリリースを打ってみたり。
いくつもの歴史上のできごとを題材に
ケーススタディ(?)として紹介されています。
そんな本書の中でも、
マーケティング視点でみたときの
最大の推しポイントは、
戦国時代の「鉄砲」が
BtoB商品だったという事例です。
(ここだけでもうおもしろい)
BtoBでは「新しいもの」、
他社で導入事例がないものは
なかなかに受け入れてもらいにくい
ところがありますよね。
同じように、
当時の「鉄砲」は見たことも聞いたこともない
「新しいもの」でした。
そこで。
導入事例がない「鉄砲」を
タイアップ事例広告を使って
大名(購入意思決定者)にメッセージを届ける
という現代の私たちが
今まさに現場で行っているような施策が
展開されます。
ストーリーテリングを使って
どうやって大名(購入意思決定者)の
心を動かすのか?
BtoB商品のプレスリリースを打つ際にも
参考になる考え方が載っていますので
ぜひぜひチェックしてみていただきたい箇所です。
また、
マーケティング側からは広報PRというと
比較的ポジティブな
プレスリリースに目が行きがちですが、
危機管理
も広報の守備範囲です。
こちらの本では、
この部分にもしっかりと言及されていて、
どういった対応をする必要があるのか?
どういったマインドで望むべきなのか?
も知ることができます。
たとえば、
織田信長と広報が比叡山焼き討ちに対する
謝罪会見の実施をどうするか?を検討していたり、
縄文の土偶に大量の不良品が発生した際に、
土偶メーカーの関係各所は
どういう対応と連携が必要かだったり。
LINE風のチャットで展開される
現場の人たちのやり取り・慌てぶりは、
「ああ〜実際にありそう」
と思わされるものばかりで
臨場感を持って疑似体験もできてしまいます。
広報PRについて、
プレスリリースという一面だけなく、
・情報発信・情報ガバナンス(統制)
・危機対応
・リスクマネジメント
・クラウドファンディング
・インフルエンサー
・ブランディング
といった全方向から
広報PRの持つチカラを教えてくれる本です。
広報PRが決して
“後方支援のポジション” ではないことを
教えてくれる本です。
とくに、
・これまで広報PRを
プレスリリースの書き方や送り方だけに
注目していた方
・実際に広報活動やプレスリリースを
打ってみたけど
広がりにくいと感じている方
・他のやり方を探っている方
にはぜひお手にとってみてください。
肩のチカラを抜いて楽しめつつ、
「世の中を変える、他人の行動を変える」
といった
広報・PR・プレスリリースが持つ
本当の意味・威力をこれでもかと
知ることができますよ!