2024/08/24

[オススメ本] クライアントを驚かせるアイデアの見つけ方

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今後の案内が不要な方はこちらから配信停止できます。
https://cs.kusunose-co.jp/User/cancel/Y5dgcozzzJ5L/
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こんにちは。
株式会社バリューイノベーションジャパンの
リサーチャーXです。

早速ですが、先日ご紹介した
Instagramの本につきまして

「即、AmazonへGo!
 また買ってしまった・・・(笑)」

とのご感想メールをいただきました。
Tさん、ご感想ありがとうございました!
(ご感想メールとてもうれしいです)

それでは、
今週も推し本、ご紹介します。

こちらです!

 ↓

■ すごい思考ツール 壁を突破するための〈100の方程式〉
https://amzn.to/3XdELP4

タイトルに偽り無し。
本当にすごい、です。(語彙力)

失礼ながら、
私、著者の小西さんという方を
存じ上げてなかったのですが、

・伊右衛門
・ザ・プレミアム・モルツ
・PlayStation
・モノより思い出。

といったCM・広告や

・ハウス
「母の日にカレーをつくろう」
・スターバックス
「47 JIMOTOフラペチーノ」

といったプロモーション企画を担当された
コピーライターであり、
クリエイティブ・ディレクターの方。

そういったステージで活躍されてきた方が
壁を突破するための現場レベルのお話や
コミュニケーション、仕事の仕方に至るまで

どういう思考で取り組んできたのか?

言うなれば、
頭の中身が見れちゃう本です。

本の構成は1つのテーマが2〜3ページで
サクッと読めてしまうのに、
気づきと学びが多いだけでなく、

当時のストーリーや具体的な事例、考え方が
これでもかと綴られていますので

「ああ、そう使うのか」
「これ、こうやって実践できそう!」
「早速、あの案件でやってみよう」

と次のアクションに
つなげることもできてしまいます。

しかも、
うまくいった事例だけでなく、
日の目を見ることができなかったアイデアも
披露されていて、

その縦横無尽な発想の広がりに

「ここまで振り切って考えていいんだ!」

とめちゃくちゃ勇気づけられました。

こちらの本。

タイトルに「思考ツール」とあり、
また小西さんが
コピーライターでいらっしゃいますので

当初、ライターやコンサルの方に向けて
オススメしようと考えていたんですね。

ところが、
とある記述が目に留まり、

「むむ!?
 これはライターやコンサルの方だけでなく、
 動画クリエイタの方にもお伝えしなければ!」

と、いつものごとく
“謎の使命感” に突き動かされ、
思い直したのでした。

本書から引用します。

—————————

「CMをつくる」とか決まっていれば、「どんなCMをつくるか?」から考え始められる。しかし今のビジネスはもっと複雑で、例えば「看護専門学校の生徒数が減って困っている」とか「世界的なスキーリゾートにするにはどうすればいいか?」といった、これまでの広告の枠を超えた仕事が舞い込んでくるし、AIなどの複雑な技術やサステナブルのようなテーマに関連したブランディングの依頼も来る。

(引用「すごい思考ツール 壁を突破するための〈100の方程式〉」p.59 )
—————————-

ここ。
規模こそ、全然、全く違いますが、
現場で同じように感じるのです。

それは、昔に比べて
「広告運用だけ」
「動画制作だけ」
「サイト制作だけ」
といった“部分の仕事” は
だいぶ減ってきているという感覚。

以前は、

「広告運用だけお願いします」
「この動画を作ってください」
「この商品の売ってほしいのです」

といった部分の仕事も多くありましたが、

今は、
たとえばサイト制作の場合であっても、
その後のメンテナンスや認知獲得施策の立案、
広告運用、分析改善までお願いされる案件が
多くなっています。

動画制作についても、
動画ひとつを作って終わり、でなく、
プロジェクトでのアイデア出しや訴求の検討、
企画からの参画が求められたり、

また、販売についても
ひとつの商品をどう売るか?ではなく、

その商品を含めた事業全体の収益化だったり
さらにはそこに合わせた人材採用のご相談だったり。

ここだけを知っている、
ここのスキルだけ持っている、といった
“部分最適化要員”のままでいることができず、

“全体最適化要員”として
上流工程に携わることが求められる段階に
移り変わっているのを感じます。

こんなふうに、
これまで比較的、下流工程の部分を担当することが
多かった私自身がある種の危機感を覚えたこともあり、

ライターやコンサルの方だけでなく
動画クリエイタの方にも
お伝えすべきだと思った次第です。

そういった役割変化の流れを受け、
私は、

既存の枠に囚われない思考の広さがほしい

と、ずっと思い悩んでいました。

でも、それってどうやるんだろう?
というか、そもそも思考が
“広がっている状態”ってどういうこと?

それがわからない…。

でも、
もし「広がっている状態」が自分の中で
感覚的に掴み取れれば、あとはその感覚を
再現しながら広げていけるんじゃないか…?

そんなことを
薄ぼんやり考えていたところ、

この本はその「広がっている状態」を
疑似体験させてくれました。

1つのテーマについての
2〜3ページを読み終えるごとに、

グワーーーッと広がっていく感覚が
たしかにあったのです。

たとえるなら、

閉じていた思考の壁が
ブルドーザーでバリバリッと押し倒され、
向こう側がスッコーンと開けて見えるようになった

とでも言いましょうか。

「あーーこんなに広かったのか」と。

そんな景色を見せてくれた本書は
—————
I アイデアを生む方程式
1 お金がかかるアイデアは、たぶんアイデアではない
—————
から始まります。

ここでは
ゼロ円でやれるアイデアの例として

はなまるうどんの
「期限切れクーポン大復活祭」
を取り上げているんですね。

なお、実際に

・具体的にどんな経緯で、
 そのアイデアが生み出されたか?

・このアイデアの派生形として
 他にはどんなものがあるか?

は、ネタバレしてしまいますので、
ぜひ本書でご確認ください!

実施の背景や前後関係も含めて知ることで、
応用の仕方や横展開の方法を
思いつけたりしますから。

…という前置きをしつつ、
少しだけどんな施策だったかについて、
当時のニュースリリースを見つけましたので
そちらでご紹介しますね。

■ 世の中全ての“期限切れ割引券・クーポン券”を用いた割引キャンペーンを展開(はなまるうどん)
https://www.hanamaruudon.com/news/2012/0402-1244.html

自社で紙のクーポン券を発行しないのに、
クーポン施策が実行できる!?

最初にこの事例を知った時、
お笑い芸人 サンドウィッチマンのネタの
富澤さんのセリフが浮かびましたよ。

「ちょっと何言ってるか分からない」

と同時に

「天才、現るっ…!」

と口をついて出ていました。
衝撃です。

「クーポンは自社でコストをかけて作るもの」

といった思い込みや固定観念を
“会心の一撃”で木っ端微塵にしてくれました。

その一方で

「どうしてこんな想像の斜め上の
 アイデアが出せるんだろう…」

と、到底、思いつけないであろう自分に対して
絶望的な気持ちにもなりました。

日々のミーティングや会議などで

「アイデアを出せ」
「アイデアを考えろ」

と問われる場面が多いのですが、
そのときの自分の心境を省みると

・根拠やデータの裏付けがあるもの
・誰もがうなるもの
・ハッとさせられるもの

を出さなきゃいけないのでは…と身構え、
思考が凝り固まっていたように思います。

一貫性があって、隙がなく、
理路整然としていて納得感がある。
そんな“カンペキなもの”を出さなきゃいけない。

でも、“カンペキなもの”と身構えると…
まあ、出ません。^^;

それだけならまだしも、
その後、そのアイデアについて議論すると
自分が“カンペキなもの”だと思っているが故に

それ以上、発想が広がらなかったり、
あろうことか他の人の意見を
無下にしてしまったり、と
ろくなことになりません。

そんなドン底の私に対して、
著者の小西さんは「アイデア」について
こんなふうに言語化してくれたのです。

———————-

「アイデア」という言葉を僕流の日本語で訳すと「これでうまくいくんじゃない?」だ。言うなればただの「思いつき」でもいい。「あれはどうすればいいんですかね?」「そうね、こうすればいいんじゃない?」がアイデアの正体だ。

(引用「すごい思考ツール 壁を突破するための〈100の方程式〉」p.21 )
———————-

「アイデア」は、
もっと軽やかでいい、もっと自由でいいと
許可をもらえたような気がしました。

生み出すアイデアが
「そうね、こうすればいいんじゃない?」
といった良い意味での “ユルさ” があるから

状況に応じてカタチを変えたり、
アイデアを上乗せしたりする柔軟さを
持つことができるのかもしれないな、と。

アイデアが
「これでうまくいくんじゃない?」
くらいであれば、

否、そうだからこそ、
アイデアを生み出す過程も煮詰まって
息苦しくなるようなものではなく、

面白くて楽しく、
ときにはバカバカしかったり(褒め言葉)しながら
気軽で自由闊達に意見交換ができて、
より磨かれ、育っていくのかもしれません。

本書のおかげで、
肩のチカラが抜け、気が楽になることができました。

今後はアイデアについて
前向きに取り組むことができそうです。

ですので、もしあなたが
以前の私のように
“部分最適化要員” 出身で、

「アイデアを考えるのがしんどい」
「アイデアを生み出す過程が大変」
「アイデアの広げ方で迷子になっている」

と悩んでいたら、ぜひこの本で
アイデアが広がっていく感覚を
試してみてください!

これが身についてしまったら、
クライアントさんのビジネスの全体設計、
アイデア、企画といった上流工程から
関わりたくなってしまうかもしれません。

そうなったら
あなたのステージ、変わっちゃいますね。