From:宮川徳生
コピーの指導をしていてよく思うのは
やっぱりリサーチに尽きるなということ。
ハッキリ言って
いいコピーかダメなコピーかは
リサーチの段階でほぼ決まると言っていい。
なぜか?
それは、コピーの優先順位は
・誰に?
・何を?
・どういうか?
で決まるからだ。
何をいうか?
どういうか?
これらはリサーチの中からしか
見つけることはできない。
なぜなら
相手のことがわからなければ
響く言葉を投げかけることは絶対にできないから。
にも関わらず
大抵の人のリサーチは
大抵の場合これで終わる。
“飲食店 集客 悩み”
こんなワードで
検索してそこに出てきた
5〜6ページくらいの情報を見て
飲食店で集客に悩んでいる人のことを
全部わかった気になる。
ハッキリ言おう。
この程度で
相手のことなどわかるはずがない!
もちろん、表面的な悩みはわかるかもしれない。
しかし、リサーチとは
そういうことではないのだ。
ある人気記者の話を1つしよう。
引っ張りだこの人気記者が
なぜ人気記者なのか?
その理由は…
ある人気記者は
その記事の秀逸さから
仕事の依頼が絶えなかった。
特にその記者によく依頼がくるのは
短い文字数の記事だった。
文字数にして二千文字程度
大した情報が書ける
尺ではない。
その程度の文字数では
その情報の上っ面をなぞることしかできない。
しかし、人気記者は
少ない文字数の記事であっても
読み手が「なるほど、そうだったのか」と
十二分に満足する記事を書くのだ。
なぜ、そんなことが可能なのか?
この人気記者は
こんな風に答えている。
『私は記事に必要な情報を集めても決して満足しません。
記事に書くことの10倍は最低でも情報を集めるようにしています。
なぜなら、実際に記事として読者に紹介できる知識はわずかでも
記事として書かれることのない色々な情報は
実際に記事に書かれたわずかな情報に迫力や深みを与えるからです』
あるトップ講演家も
似たようなことを言っている。
『長年の経験から
間違いなく聞く価値のある話には
実際に話されてる内容以上の材料が
余分にたっぷりと含まれている』
なぜ、優秀なライターは
実際には捨てることになるリサーチ内容を
かき集め続けるのか?
いいコピーを書く人ほど
リサーチしたことのほとんどを捨てる。
僕の経験上
リサーチしたことの9割は
コピーの中に書かれることはない。
このことについて
新人ライターや労力を惜しむライターは
「なぜ、捨てるのに時間を使うのか?」と
聞いてくる。
でもこれは
先ほどの人気記者や
トップ講演家と同じで…
実際にコピーに使う量よりも
遥かに多くのリサーチをすることで
コピーに迫力や深みが滲み出ることを
トップライターは経験から知ってるからだ。
何をどのくらいリサーチすればいいのか?
リサーチをたくさんするのが大切だということは
セールスライターならみんな知ってることだ。
しかし、経験が浅い場合
何をどのくらいリサーチすればいいのかわからない
という悩みがあるのも当然のこと。
この問いに対する答えは
なかなかに難しい。
なぜなら
リサーチとは結局のところ
顧客理解をするためにすることで
100%正確に顧客のことを理解することなど
不可能だからだ。
相手のことを相手に以上に理解する。
リサーチの究極の目的とは
これに尽きるわけだが
顧客とは所詮他人。
100%
理解することなど不可能なのである。
だからこそ
あなたがどのジャンルの案件をやってるかわからないが
そのジャンルの案件をやっている限り
そこにいる顧客のことを理解するためのリサーチは
常にやり続けなければいけない。
僕は工務店の案件をやった時
売れるコピーを書くために
その工務店で家を建てた人にインタビューをした。
なぜなら
それが一番理解ができると思ったからだ。
なので、工務店の社長に
「インタビューしてもいいか?」と聞き
許可をもらった。
そして、過去家を建てた人に
インタビューに協力してくれてお願いした。
結果、50人近くの人が
OKを出してくれた。
で、50人近くのインタビューを
3ヶ月ほどかけて実施した。
そのインタビューの結果
作られたコピーはめちゃくちゃ売れた。
チラシ1〜2万枚撒けば
必ず家が1棟売れるようになったのだ。
顧客インタビューしたことのほとんどは
コピーの中には反映されていない。
しかし、間違いなく
捨てるほどインタビューしたからこそ
「これしかない!」というコピーに辿り着くことができたのだ。
そして、捨てた部分があったからこそ
そのコピーに迫力や深みが出たのも間違いない事実だ。
「どこまでリサーチすればいいか?」
その問いをするうちはリサーチの本当の重要性に
気づいてない証拠である。
リサーチからでしか
いいコピーは生まれないということを
覚えておいてほしい。