あるデザイナーの教え

From 古川馨


「アパレルのような接客をすれば
いくらでも売れるようになる」


これは僕が会社員時代に
あるデザイナーさんから
言われた言葉です。


それはあるメガネ関連の
セミナーでの一幕だったのですが、
彼は続けてこう言い放ちました。


「君たちは接客が絶望的に下手だ。
メガネを売っているのに
黒いスーツを着て
ファッション性のカケラもない


さらに言えば
1本のメガネを売って
満足している。


アパレルを見てごらんなさい。
Tシャツを買いに行っただけでも
それに合うパンツ、アウター
ベルト、帽子とさまざまなものを
提案してくる。


君たちにはそれがない。
だから売れないんだ」


当時、なかなか衝撃を受けた
言葉だったのですが、
それでも「確かに」と思える内容です。


売上を上げようと思ったら

・客数を増やすか
・単価を上げるか
・あるいは購入頻度を増やすか

ですよね。


ですが、一番手っ取り早くできるのが
単価をあげること。


客数を増やすのも
購入頻度も増やすのも
要は集客。


これはかなり大変です。


でも、単価は上げることはできる。
今、目の前にいるお客さんに
提案していくだけですから
可能性は一番高い。


だから、小売で客単価を上げようと思ったら
１つではなく２つ。
関連商品や小物でも。
なんでもいいから追加で買ってもらえれば
客単価は上げることができる。


ですが、こんな当たり前のことに
日々の業務に明け暮れていると
気づかないこともあります。


あるいはわかってはいても、


ウチではそれは難しい、、、とか
メガネを複数買うなんて、、、とか
関連商品といっても、、、とか


やらない言い訳ばかりがでてきてしまいます。


そんな思惑を見透かしたかのように
辛辣に言い放ったのがそのデザイナーさんでした。


要するに、
「売れないのは、やることやってないからだ」
と僕たちに突きつけたんです。


悔しそうに俯く人。
ハッとしたような表情を浮かべる人。
考え込む人。
明らかにイラついている人。


さまざまです。


僕はその時、「確かに」と思いました。
買う買わないは別にして
複数の提案とか関連商品の提案を
積極的にはしていなかったことに
気づいたからです。


メガネが複数売れなくても。
クリーナーやクロス、洗浄液。
ケースやチェーンが売れていくだけでも
1000円、2000円と単価があがります。


売上を上げる方法はいくらでもあるんです。


また、彼はこうも言いました。


「どこのお店もセール品、
特価品ばかりを入り口付近。
　通路側に置いている。

そうやってセール品で
安いものが欲しい人を
集めているのに
高いものを売ろうとする

だから売れない。

集める人が違う。
高いものを売りたいなら
それを店頭に置けばいい。
それに興味を持った人が
集まるだろう。


君たちは自分たちが
発信しているメッセージと
あべこべのことをやっている。
だから売れないんだよ」


今、思い返してみれば
まさにマーケティングの
ターゲットの考え方ですよね。


ターゲットがズレているから
売れないんだと
そのデザイナーは言っていたわけです。


僕はすぐにそのデザイナーの言ったことを
自分の店に取り入れてみると、、、


驚くほど、客層が激変。


それまで価格にしか反応しなかった
お客さんばかりだったのが
価格以外の部分に反応するようになり
単価が簡単に上がるようになったんです。


自分では気づいていないことや
ちょっとしたアドバイスや情報。
他で上手く行っている事例など。


そう言ったことを取り入れるだけで
驚くほど上手くいくことがあります。


特に同業種ではなく
他業種の成功を上手く
取り入れることができれば
強いですよね。


他業種の情報はよく
「ウチでは使えない、、、」
と言われがちですが、
そこはグッと堪えて


他業種のやり方こそ検討する価値があります。


あなたのビジネスに活かせそうな
他業種のやり方はありませんか？
ぜひ、探してみてください。


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